YellTao

燃えよ剣のYellTaoのレビュー・感想・評価

燃えよ剣(2021年製作の映画)
4.5
小学生の頃、漫画『新撰組異聞PEACE MAKER』に衝撃を受けてから新選組に感化され、本作原作と『新選組血風録』は既読。

あの出来事, あの事件, あの隊士たち…
歴史、原作、読み解くと推し隊士ができてしまうほど魅力的な新選組も、描き切るには確かに時間が足りない。
でもこれは「鬼の副長」と言われた土方歳三の物語で「茨は触れると刺さる」ことから荒くれ者を表現し造語した原作の通り、幕開けから最期まで一貫している。

「"茨垣"は喧嘩に明け暮れ、侍になる夢を見た」
喧嘩好きで、歩き方や郷言葉がダサく、カタチにこだわる男が一旗揚げようとする、そんな浪漫は普遍的で共感する。

国の重要文化財やオープンセットでの、壮大なスケールで奥行きのある空間は自分の頭で想像するよりもリアリティがあるし、
沖田総司の伝承「体で斬れ!」を表現した音、「火花を散らす」の体現、暗闇での芹沢鴨の粛清、「諸行無常」と唱える『般若心経』をBGMにした鳥羽伏見の戦いには昂揚した!

負け戦にも斬り込みにゆくだけの"真のサムライ"の姿には、この先ブレない信念を持つに憧れる生き様だなぁ、なんて熱く想っちゃいます。
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