真っ黒こげ太郎

ターミネーター3の真っ黒こげ太郎のネタバレレビュー・内容・結末

ターミネーター3(2003年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

最新作、「ターミネーター:ニュー・フェイト」に向けて、追っかけ鑑賞、開始。

「3」→「4」→「新起動/ジェニシス」→「1」→「2」→「ニュー・フェイト」の順で鑑賞予定。
今更な気もするが、審判の日に備えます。

…しかしまたしてもナンバリングの3作目から追っかけかwwww



前回で審判の日を止めたサラ・コナーとジョン・コナー。
しかし、その後サラは白血病で死に、ジョンはヘタレになって無気力な生活を送っていたが、未だにターミネーターの恐怖に怯えていた。

そして2032年、未来から女性型ターミネーターのT-Xが現れ、ジョンと幼馴染のケイト・ブリュースターを狙う。
命を狙われるジョンとケイト。だがT-800の改良型のT-850が現れ、2人を守るために逃避行を開始する。

その一方、軍はこっそりスカイネットを開発していた…。



ターミネーターシリーズ、第三作。

大人気シリーズの三作ながら、全世界で大コケ&酷評、現在でも前2作のファンから不評を買い、現在も「4」、「新起動/ジェニシス」と共になかったことにされた作品。

まぁ前作が、特に「2」作目が「ドラマ映画」として神がかった完成度だったので比べられてしまうのは仕方ないかもしれない。
実際、俺も「2」は一度しか腰を据えて観てないが(しかもあんま覚えてない。w)、アクションもドラマも全てが超面白い傑作だと思った。
吹き替え完全版(と思しき)ソフトも買った。

あの「前作の続き」に挑戦したことが無謀なのかもしれない。
今作で「2」の感動的なラストが台無しになるのも知っていた。
(昔テレビ放送か何かで断片的に見ていた。)

しかし、そこまで酷く言われると逆に気になってしまう。
「せめてアクションは派手であって欲しいなぁ」とか、
「少なくとも「ターミネーターズ」や「ターミネーターX」よりはましだといいなぁ。」
とか思いながらも、うんと期待値を減らして恐る恐る鑑賞。




…まぁ、確かに不評なのも分かる。

だが、俺は言うほど悪くはなかったと思うよ。
少なくともゴミ呼ばわりするほどの悲惨な物体ではない。


実際、前作に比べるとアレな所は多い。
ジョン・コナーは華が無くなってるし、サラ・コナーも病死で退場している。
(まぁファーロングさんも後に酷いことになるのだがwwwリンダ・ハミルトンさんも新作ではピンピンしてるしwwww)
スケールも少々小さくなり、前作に比べるとドラマの質も落ちる。
T-Xも前作のT-1000に比べると「恐るべき強敵!」といった感じはないし、CGやBGMも前作に比べると安っぽい。
そしてラストでは前作の印象的で感動的なラストが台無しになっている。

確かにこれは、前作のファンが起こるのも無理もない。
俺も2作目を見た後続編で台無しになることを知ったら複雑な気持ちになると思う。


だが、これが「納得がいかない!!!」って作品なのかというと、意外とそうでもなかったりする。

審判の日が消えたことで、ジョンはボンクラになるのだが、あのラストを迎えたことですっかり駄目人間化してるのは驚いた。
そして本作のラストで、ジョンは救世主として大成した。
「この皮肉の利いた展開は、中々考えられてるなぁ!!」とボンクラながらに考えてしまった。
また「何故先送りにされただけなのか」「どうしてスカイネットの暴走を止められないのか」の理由付けが本作では自然な形で丁寧に説明されている。
丁寧に解説されてるからか、「「2」の感動がフイになる」的なショックは殆どなくて済んだ。

それらをテンポよく、しかも割と納得いく形で無理なく提示されていたので、お話は案外面白かった。
総じて、あーだこーだ言われはているが、脚本はそんなに悪くなかったと思う。
(そもそも、マッチョ俳優の主演アクション映画で脚本の出来に期待するの事態が間違っているような気がしないでもない。)


そして何だかんだでアクションは期待通りのド派手さを魅せてくれるし、内容もテンポが良い。
特にアクションはかなり豪快&泥臭さ満点で、クレーン車が色々ぶっ壊しまくるカーチェイスや全編に渡って繰り広げられるアクションは見応えあり。

クライマックスのロボット大暴走ではバリエーション豊かなロボットが沢山現れ、ドンパチに参加してくれるのが嬉しい。
終盤、T-850が揺らいだりする場面やT-Xとのラストバトルも面白く観れる。
(トイレバトルが何か好きw)
T-X役のクリスタナ・ローケンさんもT-1000には及ばないものの、存在感を見事に発揮しボス敵としての役目を見事に勤めてくれた。
(本作と「ニーベルングの指環」しか印象に残っている作品は無いのだが…ローケンさんの名誉のために何時か「ニーベルングの指環」も取り上げたい。)


そんなこんなで、俺はSFアクション映画として普通に楽しめた。
やっぱりアクション大作好きとしてはアクションがド派手なのは素直に嬉しい。
酷評され気味なお話も、「前作を完全にポイ!」してるという感じではなく、前作からお話にかなり気を遣ってると思う。

確かに「ターミネーター2」は傑作だし、映画史に残る不屈の名作だろう。俺も好きだ。
皆が皆アサイラムのバッタモンやパチモンタイトルのZ級映画を観てるワケじゃないし、やはり内容が内容だけに賛否は分かれるだろう。

しかし、本作は本作で見どころはあるし、俺は楽しめた。
無かったことにするには勿体ないと思う個所も沢山あったので、この機会に観直してみたり、挑戦して観たりしてはいかがだろうか。


…まあ少なくとも「ターミネーターズ」や「ターミネーターX」なんかよりはマシだと思いますよ!w(基準がおかしい。)
せめて中盤のクレーン車チェイスシーンだけでも再評価されませんかね?w


Next→「ターミネーター4」
実は「3」以上に不評が多いらしいですが…。
まぁ、「ロボットが沢山出るらしい」ので観るけどね!


と言う訳でこれからしばらくは「ターミネーター」シリーズを追いかけたいと思います。
悪評の多い作品もありますが、少なくとも最近不足気味なドンパチ成分は補えるでしょう。
たとえどんなに駄作だとしても。