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バグダッド・カフェ<ニュー・ディレクターズ・カット版>のyumikoのレビュー・感想・評価

4.8
ドイツのローゼンハイムから、夫とアメリカに旅行に来た、ちょっとふくよかなヤスミンのお話。移動の車で夫と喧嘩になり、スーツケース一つ持って車を降りてしまう。行き着いたのは小さなモーテル兼カフェ。ここに部屋を借りたのだった。

いつも怒鳴り散らしてばかりの女主人ブレンダと、役立たずの夫、ピアノばかり引いてる息子とその息子の赤ちゃん、遊び回ってる娘に加え、カフェの従業員と、ハリウッドからきた画家と、美人刺青師が家族のように暮らしてるところに途中からブーメラン好きの青年が加わる。ブレンダは役立たずの夫を追い出したばかり。

殺伐としたこの地に暮らすこの人たちは、ヤスミンに触れて何かが変わっていく。ヤスミンと人々の会話や接し方がとっても素敵で観ててニコニコ顔になってた。

いつも怒り狂ってる女主人。
ヤスミンが、ひどい汚いオフィスを断捨離して綺麗にしたのに叱られるシーンや、家族がヤスミンの部屋に入り浸ってるのを観てブチ切れるシーンがなんか辛いんだけど、だからこそ、その後の展開が素敵なのかもしれない。

そして、黄色い魔法瓶。ヤスミンの夫が捨てて、カフェの、従業員に拾われた「ローゼンハイム」と入った黄色い魔法瓶。中には多分ヤスミンが淹れた美味しいコーヒーが入ってたんだと思う。ヤスミンを探しに寄った夫が知らずに飲んで「美味しいコーヒーだ」と言い、画家は苦くて毒のようだと言いお湯を足して飲んでる。ヨーロッパの人はアメリカのコーヒーはまずいってよく言うよね。ヤスミンが店が淹れたコーヒーをのんで「茶色いお湯だ」って言ったの。

画家がヤスミンの絵を描きたいと言い、枚数が増えるにつれヤスミンが薄着になってくのも可愛い。

時々サブリミナルみたいに入る、ヤスミンの妄想も面白い。水道タンクを掃除してるジャケットは、それ。

そしてラスト。
もう、嬉しくて涙が出ちゃった。

これは好き!!
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