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三匹の侍のTRBのレビュー・感想・評価

三匹の侍(1964年製作の映画)
3.8
時代劇が好きになった原点は
『三匹が斬る!』

千石の豪胆さに憧れた

これは『三匹の侍』

テレビドラマの劇場版らしいが、ドラマは観たことない

『七人の侍』や『用心棒』に雰囲気は似ている


凶作と圧政に疲弊した百姓が、代官の娘を人質に水車小屋に立て篭もる

そこにフラリと現れた浪人 柴左近

成り行きで百姓に加勢することに

代官側の用心棒だった桔梗鋭之介、浪人桜京十郎の2人も仲間に加わり

役人たちとの大立ち回りを繰り広げる


丹波哲郎がカッコいい

事態を面白がっているようでありながら、盤面を読み鬼神の如く動く

殺陣なんかも華麗に斬り捌いていくのではなく、傷を負い駆け回り必死に斬り結んでいくのが堪らない

草鞋や袴の泥ぐあい、食い詰め浪人の風体に凄みがある

平幹二朗はしゃなりしゃなりとして 粋
本差を腰に差すのではなく、肩から下げるスタイルがこれまた 粋

三人の中では戦局を冷静に見つめている
これまたその姿が 粋

長門勇は一番人間臭く百姓の立場に近いが、ひとたび槍を持てば剛力無双

負い目を感じる様や、流されそうになりながらも自身の軸に逆らえない

憎めない侍像が愛くるしい

こんなバラエティの飛んだ三匹が奔走する姿がとても面白い

単純に一筋縄ではいかない筋書きも相まって最後まで飽きが来ない

個性強めの侍が三匹揃えば間違いない、と確信した作品。

着物が着たい
最近すごく着物が着たい

そして刀が欲しい

両方が揃った時

世直しに出るかもしれない
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