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評決のときのHKのレビュー・感想・評価

評決のとき(1996年製作の映画)
3.8
原作者のジョン・グリシャムが製作も兼ねた人種差別絡みの法廷サスペンス。
監督は‘90年代は毎年新作が公開されていたジョエル・シューマカーで、本作はバットマン・シリーズ3作目と4作目の間の年の作品。
そして錚々たる出演陣の中で主役に抜擢されたマシュー・マコノヒー(当時26歳)の出世作とか。

本作、良い作品なのになんとなく似たような邦題が多くて印象に残らないのがもったいない。
原題は“A Time to Kill” 直訳すると“殺しの時間”ですが、“暇つぶし”の意味もあるようです。
舞台は人種差別で名高いミシシッピー州、幼い娘を白人に暴行された黒人男性による報復殺人事件で、その黒人男性を弁護することになった若き弁護士(マコノヒー)が主人公。

私は1990年前後からつい4~5年前まで映画絡みでは長期ブランク中だったため、本作も ‘90年代から活躍し始めたマコノヒーのことも近年までほとんど知らなかったくらい。
サンドラ・ブロック(クレジットのトップ)にサミュエル・L・ジャクソン(本作でアカデミー助演男優賞ノミネート)にケヴィン・スペイシー、既に重鎮のドナルド・サザーランドやパトリック・マクグーハン、さらにキーファー・サザーランドにアシュレイ・ジャッド他。
この面子の中で主役とはたしかに当時のマコノヒーは大抜擢。

ここ数年で私が観たことのあるマコノヒーの主演作数本は、イケメンの優男風で作品含めインパクトに欠けるものばかりでしたが、見応えありの本作でようやく記憶に定着しそうな気配。
まあ相変わらず線の細い二枚目キャラという印象は変わりませんが。

それにしても現代でも白昼堂々と白頭巾のKKK団が集団で現れるアメリカ(州によっても違うようですが)という国はやはり今さらながら恐ろしい。
まあ、なんせあからさまな差別主義者が大統領になったりもする国ですから、その根深さはそう簡単に覆るものではないのでしょう。
HK

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