Masato

DEAD OR ALIVE 犯罪者のMasatoのレビュー・感想・評価

DEAD OR ALIVE 犯罪者(1999年製作の映画)
3.7

三池監督の熱狂者であるアリ・アスターが「究極」と評する映画。

ヤクザや中華マフィアが絡む裏社会の抗争や汚職刑事などの王道のヤクザモノに、三池ならではのオフザケ全開、見たくなさすぎる悪趣味全開の描写がふんだんに盛り込まれた結果、誰も想像し得ないラストに到達する究極のバカ映画。

オープニングでマトモな映画じゃないことがよーく分かる親切設計。ゲロ、ウンコ、スプラッタ、獣姦などのキモさ全開で笑わせにきてるのがドン引き(褒め言葉)。物語がかなり王道なだけにふざけた描写が悪目立ちしているのが逆に三池らしさがある。

そういった悪趣味はバカっぽいけど、普通じゃありえない社会のどん底の暗部を覗いた気持ちになれる。だからある意味辛くなってくるような苦しさもある。哀川翔の刑事の娘が難病なのにお金がないどうしようもなさとか、竹内力ら元中国残留孤児たちの極貧故の犯罪コミュニティとか。

黒社会三部作の経験が活きている。三池監督はしっかりと日本のマイノリティたちのどん底を包み隠さず描いてくれるのが良い。綺麗事ばかりで見たくないものに蓋をしていく日本に、エログロもひとまとめにして社会の汚さを見せつけてくる。見たくないものでも見なきゃならないんだって思わせてくれる。

なんて吹っ飛ぶくらいにラストがヤバいんですけど。
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