ふき

呪怨 黒い少女のふきのレビュー・感想・評価

呪怨 黒い少女(2009年製作の映画)
2.0
『呪怨』から続くシリーズの一作であり、『白い老女』と対になる作品。
ホラー映画としての評価は「怖くない」に限る。「ほらあそこ怪しいぞ、なにか出るぞなにか出るぞ……(暗転)……次の章かよ!」の繰り返し。恐怖演出の寸止めが多すぎる。
時系列をバラした作劇も『呪怨』シリーズ恒例だが、二つの家族とその他が入り混じる人間関係だと、六〇分の枠では混乱の元になる(『白い老女』は核が一家族だった)。かといって後でパズルを組み立ててみても、「なるほど!」とはならない。
というか、呪いの拡散方向のルールが分からない。父を殺すために知人女性に取り憑き、父に女性を殺させ、その後死体になった女性に父を殺させた? 意味が分からない。
産まれる状況は新しいアイディアだと思うが、結局は今では聞いただけで笑ってしまうような「声」と、シリーズ通りの骨組みに乗っかっただけの作品で、『呪怨』にもホラーにもコメディにもなれていない。
せめて、『白い老女』のように、『呪怨』シリーズの枠を越える勢いで新しいものに挑戦してでもいれば、まだ違っただろうに……。
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