MariaElena

カラーパープルのMariaElenaのレビュー・感想・評価

カラーパープル(1985年製作の映画)
4.0
『ハーポを愛してる。神様もご存じよ。でもあたしを殴ったら殺すわ!』

こんなこと、言うだけでも私は真似できるのか?
20世紀初期のアメリカ南部ではないこの日本で、令和の時代で、しかも虐げられてない人種の私は、もし男性から被害に遭ったらちゃんと声を上げられるのか?
今やから声上げられないとかじゃない、SNSの時代やから怖いとかじゃない、どの時代でも肌が何色でも、「殴られました、レイプされました」って、その一言を口にするのが誰だって怖い。

この映画の時代は、男が女に手を出した瞬間よりも、女がその男にやり返した瞬間の方が周りが騒ぐ(止めに入る)時代で、「あたしを殴ったら殺す」と言ったソフィアもうまく話せないほど痛い目に遭わされる。
今の時代やったら、言葉による暴力(セカンドレイプ)がお決まりで、体は無傷でも心を傷つける。

だから、結局(我慢して黙ってればよかった…)って思ってしまいがちやのに、ソフィアは最終的に自分と同じような境遇に立った主人公に「殺すほどの価値もない男よ。」と言って男にやり返すのを止めるんよね。
かっこよすぎんか?私みたいな目に遭うからやめなさい、じゃないねん。自分が罪人になってあげるまでもないってことやねんな。

この時代の酷い男性たちの再現は、女性を侮辱しているだけではなく、今の時代の正常な男性までもをバカにしているなと思った。男ってこう、と思われると堪らんよな!

下ネタ混じりで愚痴らせてもらうとさ、女を顔で選ぶぐらい見た目重視で、だから可愛くないと思ってる方をあてがわれて嫌々帰るのは分かるけど、結局夜無理やり襲ってるのびっくりせん?あんなに嫌そうやったのに何で勃つん?←
父が娘に孕ませるとかも、生物学的には可能なん分かるけど、まずよく勃ったな?っていう。日中あんなに殴ったり汚い女扱いしてるのに、夜になったらどう興奮ができるのか。謎すぎる。

ていうか、醜い顔扱いされてた主人公セリー(ウーピー・ゴールドバーグ)の笑顔がいっっっっちばん美しかった。泣けるほど素敵な笑顔をしている。美しい笑顔って整形や化粧じゃ作れんくて、その人の人生そのものやもんね。過酷な人生でも希望や楽しむってことを忘れてなかった。
それが、まさかの泣いてしまうまでのラストに繋がった。
正直、私のキャパ的にはセリーは自殺してしまったっておかしくないぐらいの酷な境遇やったと思うのに、頑張って生きていたからこんなラストがあったんやんな。
このラストは映画やからとかじゃないって思った。生きてる限り人生は続くから、その分苦痛も続くかもしれんけど、新しい風が吹く確率も死ぬよりは高いよなぁって。

このぐらい前向きにこの映画を観れたのは、ファンタジーっぽいBGMのおかげやった。スピルバーグの作品やなぁ!みたいな。あとで調べたらいつもの音楽担当の人ではなかったけど🤣

オリジナルがここまでいいと思ってなかったから、新作のミュージカル映画を観に行くか悩んできた😂このオリジナルの感動をまだ残してたい😂
MariaElena

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