同時上映された同じ監督による『愛の残像』ほどには洗練されていなくて、むしろ取り散らかった感じのする作品だったが、妙な説得力があった。
作品を売らなくも生活できる画家、貧乏な役者夫婦、大女優。レジスタンスをしていた画家の父親。それぞれの振る舞いと言動に現実感がある。
主人公が迎える結末には、少々強引な感じがつきまとい、父親との会話も唐突な感じがするのだが、妙な説得力があり、こういう生き方をする人もいるのかもしれない、とつい納得してしまったりした。
二つの作品を通して、レジスタンスという言葉がキーワードとなっていて、フランスのまた一つ別の側面を見た様な気がした。
(2012/12/18記)