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HOUSE ハウスのSSDDのレビュー・感想・評価

HOUSE ハウス(1977年製作の映画)
4.2
◼︎概要
母親が他界してから8年、女子高生は海外から戻った父から再婚相手を突然紹介され困惑してしまう…。何故かふと思い出した叔母の家に友人を連れて旅行に行くことを思いつき、叔母の家に行くのだが…寂れた大きな家では怪異の巣だった…。

◼︎感想(ネタバレなし)
独特の映像技法が凄まじい。全シーンにわたってなんらかの特殊効果を入れており、当時は酷評されたが、若者達には高評価で日本映画界では様々な人物に影響をもたらしたといわれるカルト作品。

ジャッロのような鮮烈な色彩、アイドル、スプラッター、幽霊、妖怪、パニックホラー、ミュージカル、コメディ、アクションを詰め込んだ異端なチープな映像が唯一無二の世界観を築き上げている。

序盤は進みが遅いのだが、意味もなく日常シーンに放り込んでくる特殊加工の映像にあてられ、何故か背景が全て絵なのだがあからさますぎるのが不気味に見えてくる。
突然カントリー流れてミュージカル調かましてきたり、ドン滑りの昭和なギャグトーンがエゲツなく炸裂したりする。

世界観に没入させるとかじゃない…初めからフルスロットルで全快にカーブ曲がり切らずに、ガードレールぶち破り飛んでいくような作風。

中毒性というか…初めてこんな作品観たカルチャーショックを受けた。
これは間違いなくカルト映画である。











◼︎感想(ネタバレあり)
・独特すぎる技法
-分割で画面を見せ、投げたスカーフが落ちていくのと同時に走り去るのを見せる
-何故か会話している人物だけに顔をフォーカスして透過して森を写す
-カットを飛ばして日常シーンもコマ割りのようなシーンにする
-スローモーションを何も意味もなく使ったり、逆再生、巻き戻してリプレイ
-なぜかカモメが鳴きまくってたり、赤子の声が流れてたり、音声も独特
-友人に回想の話をしてる時は何故か無音映画を視聴しているトーンで映像の感想を言い合う

・クンフー
主役がほぼクンフーじゃないのかくらいライダーアクション満載。ほぼ物理攻撃は無敵。下半身だけでライダーキックかます気合いも含めていいキャラ過ぎた。

・メロディ
一番死に方がきついし、死んだ後も指だけで演奏してたり死んだ自覚ないのが元々の演技力がない分さらに不気味さを増していい味だしてた。

・婚約相手
しつこいほどスカーフたなびかせてカラオケの安いPV感強め。
蛇足感半端ない上に長い、うふうふいいながら家に上がって、燃えて死ぬって必要だったのか…。

・家ホラー?
家自体が叔母の想いから魔窟になったのか、化け猫が影響したのか、家自体が呪われてたのか不明。
しかし人を食うたびに家全体が活き活きとし始める感じが良かった。

・総評
何を観せられているんだ…という感覚から世界観に呑まれてまるで作品自体が、人を呑む怪物のような作品。
他では味わえない奇妙な音楽、内装、演出を味わえました。
こんな怪作を配信で観られるとはいい時代ですね。
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