このレビューはネタバレを含みます
マイクニコルズの男性・女性について
2010年6月14日 16時56分レビュー
1971年作品、製作、監督マイクニコルズ。ゴールデン・グローブ 助演女優賞受賞、アン=マーグレット。
先日鑑賞した素晴らしき青春映画「500日のサマー」。
そこでリスペクト出演していた「卒業」。
そこでピーンと思い出してしまいました。
初期ジャックニコルソン探求の意味で前から気になってた作品、で、若いとき一回挫折した経験もあり。
マイクニコルズ監督。
俳優から舞台演出、そして映画監督へ。
ニューシネマの甘くなく、酸っぱい略奪愛の大傑作ダスティンホフマンの「卒業」で大ヒット。
戦争風刺の「キャッチ22」を経ての本作。ビデオにての鑑賞となりました。
物語は、いたってシンプル。大学生の二人。性欲旺盛気味なジャックニコルソン。何か悩みながらも恋にうぶな感じナイーブなアート・ガーファンクル。
そんなメンズ二人のなにもかも話し合う「トークアバウトガールズ」な物語。
女性について彼らは、話し合います。
セックス、相性、体型、そぶり、感じ、まーいろいろ話し合う二人。
性格の違う彼らの女性とはについての話と経験とまた話しかよみたいな、、。
そんな話を大学から、時を経て点々と二人の女性遍歴を魅せる物語です。
愛の狩人となる二人の行く末はいかに?
このころ映画に出演しているアート・ガーファンクル。
もしゃもしゃ毛のアートですが、演技も上手。
私のお気に入り映画ニコラスローグの多面的性の迷宮映画「ジェラシー」では、素晴らしく変わった男性を演じております。
アルバム「サウンドオブサイレンス」で、グラミー賞を早々収めたミュージシャンです。
本作では、ジャックニコルソンの相談役、聞き役的受けの演技にまわっています。
そして本作でゴールデン・グローブを受賞するアン=マーグレット。
これまたお気に入り映画マックィーンの「シンシナティキット」では、勝負をぐらつかせる、悩ましいデーヴァを演じておりました。
本作では、大胆裸になり、じゃじゃ荒くれホース、ジャックニコルソンの恋人役を体当たりで演じています。とっても悩ましく、切ない感じの演技が良かったです。
まあ、ジャックニコルソンと対立できる相手として素晴らしい豹変ぶりでありました。セクシーであり、ゴールデングローブ受賞の演技も必見。
そして以後もマイクニコルズとは度々タッグを組むようになるジャックニコルソン。
精力絶倫、注文の多いガールズ選びに嬉々として、話しまくる男を豪放に熱演。
アン=マーグレットをフレンドに迎えてからの二人の火花は素晴らしい修羅場であります。
「だからニコルソンなんだ」とここで妙に納得しました。「ぶち切れ」ジャックファンの方は是非必見。
自分はジャクニコルソンの末路がなんとも現代的な男性像に今だと見えなくも無いかな?と思いました。
ラストがとっても好きです。
所詮人生、男と女。二人の歩むそれぞれの女性に対するよもやま話、セックス、男、仕事、体型、外見、価値観、学歴、、。
いろいろな思いにかられながら、二人の道を我々観客は歩んでいきます。
ニューシネマ期の「愛の迷走」二人の道はどうなることやら?
マイクニコルズのある意味「男性・女性論」のようなニューシネマ期にふさわしい作品でありました。
ソダーバーグの「セックスと嘘とビデオテープ」をなんとなく思い出しました。
追伸
ジャックニコルソンの癖あるあの喋りがなんか好きです。マイクニコルズも見ていきたい作家です。