どーもキューブ

首のどーもキューブのネタバレレビュー・内容・結末

(2023年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

北野武監督の戦国バナシ「首」




大好きな芸能人、北野武。
最新作は、念願の歴史もの。

確か雑誌で「やりたい」と言っていた。黒澤明との対談でも黒澤明に言われたとのこと。 

この対談、見たことあり、馬鹿でかい椅子に黒澤明名監督が座っていた印象、タケチャン映画をえらく褒めていた。

「首」の情報をきいたとき、思ったのは、

「コスプレ風「アウトレイジ」にならなきゃよいがと心配」

織田信長、豊臣秀吉とか歴史に一切興味ないのでWikipediaで勉強。
キャスト的には、北野組プラスかなり豪華な配役。
旧ツイッターでIMAX上映をキャッチ。公開3日目2500円鑑賞してきた。





歴史的な駆け引きとか史実の具現化とか黒澤明、稲垣浩、工藤栄一監督等のお堅い、娯楽時代劇等の雰囲気や感じはない。

これまでの北野武映画だ。どっちかというと「アウトレイジ」に「龍三と七人の子分たち」を感じを歴史風にミックスしたような映画だ。 

いやあまず、新しい北野武映画だった。びっくりした。笑い要素も加味されていた。間違いなく1番予算がかかった作品だった。

まず、北野武の歴史観がしっかり投影、表現されていた北野武映画だった。


男が男を好きになる、性交する要素だ。

これは「その男、凶暴につき」(北野武刑事の白竜敵役がゲイの設定だった)

2作め「3-4X10月」でも表現あり。(タケチャン親分が渡嘉敷組員に求めたりする描写あり)


今回は、織田信長の群雄割拠の時代に男が男を好きな話を入れていた。またハードにぶち込まれていた、さながらレイティングに引っかかる感じ。
このポイントは、明確に作品を引きつけるか拒絶するか分かれめになる。 

 自分には、リアルに思えた。武士には、多分に男が男を思う時代背景がある。また物も金もない、人間も限りがあり、身分がある。

なんか豊臣秀吉には、本当に黒人が使えていたなんて、、。これはね、笑うしかない。朝テレビで「 今日はテーマが『お麩』という事で、」となめらかな司会とレポーターぶりをみていただけにここで「オリャー」 といわんばかりに暴力的でもう笑うしかない、ギャップに。

(演じているのは、「朝イチ」の情報キャスターの方で、めちゃくちゃ乱暴でそれだけで大爆笑だった。だってあんだけ毎朝食べ物解説丁寧な日本語で喋る方が、めちゃくちゃ粗野で無口で爆笑しかなかったなあ。ゾマホンじゃなかったのも個人的に笑えた)

黒人のおつきがいたそうですね、それが知らなかった。まあそうだろう。
笑わせなきゃ、殺すとかまじありそう。 そこら辺のかたぐるしさは、ない。

またこのメンズラブ描写も結構表現していて、ここも作品評価に関わるが、突っ込んだ描写だったなあ。自分には、いやあめちゃめちゃありそうでリアルだった。

暴力も物凄い身勝手でいつ「蹴り」や「刃」が命をそぎ落とすような感じが、加瀬亮からビンビンに感じた。もう本作は、加瀬亮の演技が素晴らしかった。大変だったと思うが何を考えてるかわからない暴君のような荒くれ者も久しぶりに見た気がした。あんなかた、まわりにいたら、オラは確実にフルえてます。怖すぎなんて超えた存在でしょ、、。

王様の怖さみたいのは、立派に感じましたね。加瀬亮さま必見だぎゃあ…!
会社上司のミニサイズで、こういう方いっぱいいますけどね、首ははねませんが、。
 酒飲んだらスーパー毒吐きいじめ上司、いや殿様。何言うかわからんなから、見てて怖い怖い。そんな感じを加瀬亮は、見事に演じていた。ノリやテンション保つの大変だったろなあ。少なくとも全然価値のない、日本アカデミー賞にはノミネートしてほしい。東宝ならするかも?!

もちろん西島秀俊も必見!世界のニシジマも今回は、話の中心のような板挟みぶり。


北野武組勢揃いの作品でもあった。
大森さんは、北野組作品の初期に端役で出演していた繋がりがありの今回は、タケチャン参謀役に着任。

今回の寺島進は、シリアスな寺島さんだった。コメディリリーフの寺島さんがみたいよねぇ。

勝村さんは、 私のなかでは、いつまでたっても「元気が出るテレビ」のリポーターカツムラ!だ。

北野武監督インタビューを読むと

豊臣秀吉関連の首の諸説は、80もある!にびっくりした、そんなに説があることにびっくり。レビューで、意外に諸説通りとのこと。

だけどお笑いの感じは、この戦国時代にキムニイの喋り漫談があったか?というと違和感は感じたけどね。キムニイだからね。

あとオムニバスっぽい感じもあって、章仕立てではないが、あった。

難点、兵糧攻め、水攻めの所がちょっとはしおり過ぎでいまいちよくわからなかった。
多分ここのシーン揉めたんじゃないのかなあ?
CGとか、脚本とか製作とかね。結構端折った感があった。

またところどころ、コントような、タケチャン突っ込み役とか、あまりにも身内感出過ぎでテレビ的にみえたのもいなめない。

 「タケチャンの思わず笑ってしまいました。」的芸能人とコントしてる感覚と豊臣秀吉の物語としてはら乖離があるように思った。

結構面白くない派閥の方は、このコント感がイヤというのがあるらしい。また北野武 出演がどうもイヤというのもわかる。

 タケチャン、やっぱり老いましたよね、、、1番テレビで見つめてた世代なんで、よくわかります。タケチャン曰く「出演すると製作費があがる」があるようだ。

北野武の歴史感としてのまさしく「首」。首さえ刈ればみたいな感じは、やっぱりあったのかなあと見ながらやはり、戦国時代の残虐性を感じた。

それを体現するのが、中村獅童だ。とてもよかったっす、とにかく汚くて。いうこともゲスくて、黒澤明の「隠し砦の三悪人」のふたりを思い出した。
とてもきったないので、よかったなあ、まあ汚い汚い。逆に要人がみな黒澤和子さんのきらびやかな衣装必見。

 北野武の俳優とコントするテレビ「思わず笑ってしまいました」の豪華本格的歴史家大作みたいな感じ。ベネチアで賞を受賞しないのは、やはりボーイズラブ描写とかなんかなあ。

歴史的な荘厳さとか、再現性とか駆け引きや人間関係とかは、まるでない。それより、芸人北野武が考えてきた、こんなじゃないのか? 戦国時代を笑いをちりばめ集積したお話しにみえた。

殺陣の面白さとか
ドラマの歴史的人物の性格描写とか
大軍の面白さとか
通例ある歴史的日本映画にはない
首を求め野蛮に 生きる 群雄割拠人物達が 入り乱れるたけし絵巻だった。
大変面白かった。新しい北野武映画のフェイズにきた。 次作が楽しみだなあ。



さて
北野武の戦国時代のクビ
北野武の歴史お話し
ぜひ!どうぞ!




フィルマ版追記
水責めの戦いをみてみたいとか
いつもやる日本的な歴史映画とか
を期待しないほうがよい。
いつもの、いつものビートたけしが、俳優とまじり、北野武的な戦国時代を魅せてくれたお話しでしたね。

いやあ今現在、こんなん撮れないよね。いやいや、資金面でもはや揉めて公開延期なってたんだからね、、。
水責めとかの所は、後悔してるだろうなあ、タケチャン。

首、くび、クビとこだわるわけだが、首塚やらなんやら事実としてあるので、やはりこんな感じはあったと思う。
(だからラストが大好きだった!)

ここにリドリーの「ナポレオン」のような潤沢な資金で本作の追加撮影をしてもらいたいようと予告編みながら思いかえしたよ。(ハリウッド資金力)

タケチャンのやはり「みんなやってるかあ」をもう一度がみたいですね、笑いのタケチャンをみたい。

いやあ楽しんでコワイ感じの歴史キタノ映画でしたよ!ぜひ!
IMAXじゃなくてもよかったかなあ?!
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