ロードムービーの名作中の名作。
ヴィム・ヴェンダースの代名詞と言ってもよい本作は、主要登場人物が一族のみという、きわめてミクロな物語が特徴。
そのミクロへの視点は、最新作『PERFECT DAYS』にもしっかりと生かされており、ヴェンダース自身の関心が40年経ってもなお一貫していることを感じさせる。
小津を踏襲したかのようなカメラワークもあいまって、これはもはや、舞台をアメリカに移した小津映画の正統な後継作品と言ってもいいのかもしれない。
しかし、悔しいことにトラヴィスの哀愁漂うクタクタなキャラクターが私自身の心にそれほど刺さらなかった……。
それは多分私が父親をやったことないからなのかもしれない…。