小樽の冬は長く、雪の終わりが見えない。
われわれ日本人からすれば、そんな雪国の冬の光景はネガティブなイメージばかり抱いてしまうけれど、どうやら韓国ではそうではないらしい。
韓国で最も人気のある日本映画とされる岩井俊二の『love letter』を徹底的にリスペクトしつくしたかのような内容の映画で、小樽が舞台、手紙、実らなかった恋、雪景色、、、などなど共通点のオンパレード。
もちろん、そのままトレースしたわけではなく、映像表現はしっかり現代風ではあるし、韓国と日本がかつてないほど心理的・距離的に近くなったからこその演出もみられる。
凍てつく冬の寒さがこっちまで伝わってくるかのような、しんとした映画だった。
ただ、多くを語らないことを主要人物たちの共通点としているためか、どこか不器用でぶっきらぼうな人びとに心なしか見えてしまった。