【あ、やっぱり生きねば】
という主人公のつぶやきが聞こえてきそうな映画。
生への執着は死を意識することによって強まるというのは、言ってしまえばごく当たり前のことに思えるかもしれない。
本作は、そんなごく当たり前のことに気づかせてくれるシュールなコメディ映画だ。
とはいっても、なにか教訓めいたセリフがあるわけでもなく、特段感動するわけではない。
だけど、その絶妙にひなびた世界観が、世界中の多くの映画ファンを魅了してきたのは間違いないだろう。
映画らしく美しい街並みが出るわけでもなく、ただロンドンの寂れた街並みが映しだされる。カラーのはずなのに、いざ思い返すとモノクロだったような気もしてくるから不思議。
本当のコントラクト・キラーは、主人公自身だったのかもしれない…。
