DelayMan

パーフェクト ワールドのDelayManのレビュー・感想・評価

パーフェクト ワールド(1993年製作の映画)
4.0
脱獄犯である主人公が車を盗むために忍び込んだ家の子供を拐って共に旅をすることになる
自分の過去と子供の境遇を重ねて次第にお互い心を開いていくロードムービー

クリントイーストウッド作品は必ずと言っていいほど人間の奥底にある心理を描いていたり、人情味を感じさせる作品に今作も仕上がっている
ケヴィンコスナー演じる子供には優しい主人公
その主人公が所々でしっかり凶悪な一面を見せることで緊張感を持たせているキャラクターとしてのバランスがこの作品の良さだと思う

実際に誘拐犯や監禁犯と長くいることで犯人寄りの心理に陥るという、ストックホルム症候群という現象があるようだが、観ている方もどんどん主人公側の心境に引き込まれていく

もう一つの物語としてクリントイーストウッド演じる刑事とローラダーン演じる心理学者のコンビ
刑事と主人公の過去の繋がりを盛り込んで来るところや、イーストウッドの渋い演技もプラスに働いている

パーフェクトワールドというタイトルの理由も最後まで観ると納得させられる
DelayMan

DelayMan