狭須があこ

パーフェクト ワールドの狭須があこのレビュー・感想・評価

パーフェクト ワールド(1993年製作の映画)
4.0
「いい人」って何ですかねぇ

犯罪をおかさない人。
人を殺さない人。

「悪い人」は?
人を殺す人。子供にやりたいことをさせない親。職場で女を口説く警官……

めちゃくちゃシンプルな話です
イーストウッドの話のなかでは、「救いがねぇ!!」って言いながら周りのモノを蹴りたくなる衝動はおこらない"ほう"だと思います。(全然おこらないとは言わない)少なくともなんとなく想像してたより胸クソ悪い、ってことはなかったよ

大体何が起きるのかわかるくらいベッタベタなんですけど、それでも中盤で涙出そうになったし、こんなどストレートな話の割に登場人物の行動が、ぜんぜん一貫してないんよな

さらった子供に完璧な世界を与える者、愛する子供を殴り付ける者、自分が銃を向けた相手のために涙を流す者。
この全員の行動の、不合理な多面性を見せられながらも、「どストレート」って感じるんですよおかしくない?
コレで、納得させられてしまうのスゴくない?おいイーストウッド

ブッチは、少年と居ることで「いい人」に変化していったのか?
と思ったときに、善と悪や、好きと嫌い、暴力と優しさは、おなじ人間のなかに同時に存在しているのだと気付きました。
いいことをする「ときもある」。悪いことをする「ときもある」。

じゃあ「いい人」ってなに。
「悪いヤツ」ってなんなんだ。

今までやって来たことを天秤に乗せて、どっちに片寄るか測るポイント制なのか?後からやった行為が優先される上書き制なんだろうか?
私はいつも自分は「いいヤツ」で居たいと思ってるけど、まずそんな概念が存在し得るのか?ってとこから疑うハメになりました。

パーフェクトワールド、理想の世界。
それもまた多分、絶対的な概念じゃないんだろうな。理想の世界が「いい世界」だなんてことも、べつに決まってないですもんね。

私ケヴィンコスナーは「ウォーターワールド」「クリミナル」しか見たことないんで、まだ無法者のケヴィンコスナーしか知らんのだけど、どれも好きですね
一年後くらいには「ケヴィンコスナーが好き!!!」とか言ってそう。

これ、予言ね。
狭須があこ

狭須があこ