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修羅のTSのレビュー・感想・評価

修羅(1971年製作の映画)
3.8
【大いなる勘違い】80点
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監督:松本俊夫
製作国:日本
ジャンル:時代劇
収録時間:135分
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ジャケからして中々凄惨な作品に見えますが全くその通りであり、最早怨念に近いような復讐劇を描いた時代劇であります。源五兵衛のエスカレートする復讐、からみ合わない現実。まさしく修羅の道といったところでしょうか。

塩冶の浪人源五兵衛は、主君の仇打ちに参加しようとしていた。芸者小万と戯れていた時、仇打ちの資金として忠僕八右衛門が百両を持ってきたのだが。。

まず撮り方が巧い。白黒を巧みに利用し出演者の表情をこれでもかというくらい力強く映しています。復讐に燃える源五兵衛のその表情は抜きん出ており、最早ホラーに近い演出とも言えます。またモンタージュ効果も抜群であり、次の映像が予見できるほど入り込める内容になっています。

やはり女と金で人は変わる。小万を愛してしまったが故、その裏切りに対する復讐心は相当なもの。そこに百両という大金も関わっているわけですから一筋縄ではいかない。謝っても許さないもんね。とはこのことであり終盤の源五兵衛は自称もしていますがまさに鬼であります。そして今作の良いところは、その復讐に燃えた源五兵衛に吉を与えないところにあります。何とも生々しい終わり方。全編夜であり非常に暗い。物語も暗いし、人生の闇の部分をダイジェストで見た感覚になりました。中々の秀作。
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