回想シーンでご飯3杯いける

そして人生はつづくの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

そして人生はつづく(1992年製作の映画)
2.5
ツタヤの発掘良品より、「友だちのうちはどこ?」に続く、イランのアッバス・キアロスタミ監督作品。

スコア4.2を付けた「友だちの~」のロケ地がイラン地震の被災地となり、主演した少年が行方不明に。そこで監督と息子が彼を捜索するというドキュメンタリー仕立ての作品になっている。

「友だちの~」に出ていたお爺さんの自宅を訪れた際に「実はここは自分の家じゃない。映画の人達が、わしの家だと決めたんだよ。」と衝撃の告白。え?どうやら本作は純粋なドキュメンタリーではないようだ。調べてみたところ、監督と思っていた人も実は本人ではない。という事は、その息子は誰? 避難場所で共同生活をする村人も、いや、散乱する瓦礫でさえ、もしかすると本作のために用意されたものなのか?

どういう遊び心だったのか知らないけれど、大地震の直後に被災地に押しかけてモキュメンタリーを作る監督の気持ちが良く分からない。村人に捜索している少年の写真を見せると、皆「友だちのうちはどこ?に出てた子だよね?」って答えるんだけど、それさえやらせに思えてくるし、被災者に芝居をさせていたのなら本当に酷い話。

壊れかけの車や、長くて険しい坂道などに見る比喩表現は、いかにも同監督らしく味わい深いのだけれど、製作意図が良く分からないので、何とも評価し辛い。