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ファイト・クラブのYMのレビュー・感想・評価

ファイト・クラブ(1999年製作の映画)
4.5
もう何回観たか分からないくらい観てるんだけど、初めて映画を観た時から15年近い時を経て、最近原作を初めて読んだので 久しぶりにもう一度映画を観直した。
結果、原作も映画もどっちもめっちゃいい。
パラニュークの文体(訳文だから雰囲気しかわからないけど)が映像化されている!あの、酷く酔った時の記憶及び体験がバチンバチンと断絶と接続を繰り返すような感覚!(この感覚が文章になっているの改めて震えるほどかっこいい)
原作の好き!と思ったシーンが形をかえたりしつつスピーディにテンポよく、かっこよく、ぎゅっとあの短時間にまとまっているの、すごいよ〜!!!!すごい、めっちゃかっこいい。語彙喪失。
演技の上手い下手とか正直よくわかんないんだけど、エドワードノートン、上手すぎん????本物じゃん、原作から出てきたんか?そしてブラピのキャスティングと役作り、すごすぎる、完璧。だって、完璧をなぞろうとしてきた僕の「(無意識下でも)理想の男」であるタイラーは文字通り完璧でないとならないわけで、それを演じるってとんでもないことよ……ため息出る……


原作のラストを読んでもう一度映画のラストを観ると、わたしは「結局『自分』から逃げられない」原作の終わり方が好きだなぁと思ってしまうけど、映画のラストはドラマチックで、きっと昔のわたしは圧倒的に映画派だろうし、いや〜どっちもいい。
でも、マーラの存在は原作の方が好き!しっかり関わってくるので。

原作読んだのもあり、年を取ったのもあり、今まで見落としていた部分もしっかり分かって、不意に涙出る場面もあった。楽しい。

なんか初めて観た時みたいにドキドキしている。いや、本当に初めて観たのか?観たことのある自分はどこへ……
小説も映画も20年以上前の作品にこんなにドキドキさせられるの、信じられない。嬉しさに更に心臓が鳴る。


ティーンの頃熱くなった映画を年を重ねて観直して、思いの外ゲーっとなったり、改めてドキドキしたりできるのかと思うと年取るの悪くないな!と思えた。
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