そのじつ

ファイト・クラブのそのじつのレビュー・感想・評価

ファイト・クラブ(1999年製作の映画)
3.8
爽快。まくし立てるエドワード・ノートンのナレーションを背景に、次々と現れては消えるイメージ。どれも肌触りの良くない、触れたら吐き気がしそうなものばかり。けれどなぜかワクワクする。興奮する。もっと見たくなる。
ノートンとブラピのビジュアルが好対照。終始薄笑いを浮かべたブラピの得体の知れなさ、底知れなく魅力的。そんな彼にノートン演じる「僕」が執着するのも納得。キービジュアルは明らかにブラピなのだが・・。それも物語の伏線となっている。観客を「僕」のそばに引き込む仕掛けか。

見終わって思うに、エドワード・ノートンの怪演凄まじい。どうやって撮ったのか不思議になるシーンも満載。すごかった。

とにかく殴り合うのが目的の秘密クラブが、男たちの心を掴んでいく過程の爽快感が圧倒的。ラストシーンは付け足しに感じるくらい。結局テロリズムへと変貌を遂げてしまうのだが、そのマグマの源泉こそを我らは愛するのではないか。スポイルされた魂どもよ、目を覚ませ!熱くなれ!

ファイトクラブのメンバーは、社会の手足として現場を回すべくあくせくと働く人々。社会の頭として指示を下す彼らの上司たちは、手足たちの反乱によりあの後、居場所を失ったのだろう。頭に対する肉体の反乱。
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