Dachiko

遊星からの物体X ファーストコンタクトのDachikoのレビュー・感想・評価

3.5
今作は『遊星からの物体X』の正式な続編であるが、時系列としては前作の過去、が描かれている。前作で既に壊滅していたノルウェー基地では一体何が起こったのか、というのが今作の筋である。

鑑賞後、今作について調べていて驚いたのが、登場したエイリアンがCGではない、ということだ。無論、CGで補完してある部分もあるが、監督、そしてデザイナーなどの意向によりエイリアンを模したロボットが使用されているらしい。

その時点で、監督の前作に対するリスペクトと愛情を十分に感じれるのと同時に、最近のロボットはここまで滑らかに気色悪く動けるのか、と感心した。

CGを見慣れすぎているせいか、逆に非現実的なものに対して、それはCGであるということに疑いを持たなくなっているのかもしれない。そういう意味で、逆にCGと現実の境目がわからなかった。

ほかにも、壁に刺さった斧や自殺死体があった経緯などが明らかにされ伏線も回収した完璧な出来だったといえる。

そして、今作も前作同様、生存したのは人間かエイリアンか、ラストシーンで示さない形で幕を閉じた。しかも尚且つ今回の後味は前回より気味の悪い終わり方だったように感じる。

人間がエイリアンを根絶やしにしたのか、それともエイリアンが人間を…。本当にわからない終わり方だった。