タカシサトウ

許されざる者のタカシサトウのレビュー・感想・評価

許されざる者(1992年製作の映画)
4.0
[西部劇を終わらせた西部劇]

 なかなか素晴らしかった。 抒情的でもある。

 観るのはもう何回目かなので、良さそうに見えて実はそうでもない奴が何人も出て来ることは分っている。それでも話は二転三転するのでかえって目がくぎ付けになってしまった。

 クリント・イーストウッドのウィリアム・マニーが本当に強くて、最後にはカタルシスがあるのだが。でも、彼も最後に、自分のことも罪人と言っているし、よくよく考えると、あんなに人を殺しまくっていいのか、という疑問をこちらに投げかけて来る。

ウィリアム・マニー自身も“許されざる者”ということか。

 西部劇という“物語”とはいえ、人は簡単に殺せないし、人を殺せば、もちろん相手にも自分自身にも痛みはある。その当然なことを暴露しているということで、西部劇の終焉と言えるだろう。(2019.3.30)