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うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマーのRyuのレビュー・感想・評価

3.8
学園祭を明日に控えた友引高校。生徒たちは連日泊まり込みで準備に励んでおり、校内はごった返していた。諸星あたるやラムの2年4組も連日お祭り騒ぎ状態であった。担任の温泉マークは疲労困憊で保健医のサクラに「学園祭前日が繰り返されている」という指摘をする。最初は相手にしなかったサクラだが、次第にその意見に頷くようになっていき、なんとかしようと行動に移すのであった。

「うる星やつら」劇場版第2作目。
原作も未読、古い方のアニメも、リメイクも、一切観たことがないため、今作で「うる星やつら」というものに初めて触れました。今作に関して言えば、全然問題なかったです。キャラクターの名前や立ち位置なども超分かりやすく、すぐに入り込めました。
“夢”がテーマとなっている作品ですが、夢 というものの混沌さを80年代に既にアニメで表現していたとは。さらに混沌さの中に、「うる星やつら」のコメディも上手いこと組み合わせている、いやすげぇな。
序盤は、学園祭前日が繰り返される様子がちょっと怖かったりもします。コメディ作品であるし、ちゃんとコメディしてるんだけど、どうなっているのかわからないということや、そんな世界でキャラクターたちがワイワイやっている光景が、何か不気味なんですよね。
終盤で、この騒動の犯人がわかってからは、ちょっと間延び感がありましたが、アニメならではって感じがしました。子豚ちゃんのお腹にあった©︎マークも完全に著作権のことですね。ちょっとメタ的な要素あるのもおもしろいことするなぁと思いました。
原作者の高橋留美子は今作がそんなに好きじゃないみたいです。確かに、やはり押井守要素は強く感じましたね。「うる星やつら」という土台を借りた押井守の作品と化しているとも思いました。これはこれで面白いのでいいんですが。
後続の色んな作品にも影響を与え、押井守自身にとっても出世作になるみたいですが、それらも納得の魅力があったと思いました。
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