タキ

クィーンのタキのレビュー・感想・評価

クィーン(2006年製作の映画)
3.6
顔は似てないのに本物みたいで役者ってすごいなぁとシンプルに感動してしまった。女王役のヘレンミレンは言わずもがな、フィリップ殿下やチャールズ皇太子の醸す小物感が絶妙で笑ってしまった。ブレア首相は記憶がほとんどないんだけど、おうちが質素で普段着がサッカーのユニフォームで恐妻家なのは本人に寄せてるのだろうか。
ダイアナとイギリス王室の関係性はワイドショー的なネタだと思って当時は全くスルーしていた。世界一有名な家族ではあるけれどその内実は普通の家庭となんら変わらないし、不倫だの嫁姑問題だの当事者にしか本当のところはわからないし他人が推し量ってあれこれいうのは野次馬根性にほかならないからだ。あまりにスルーしすぎていてダイアナが交通事故で亡くなってから5日も経ってやっとバッキンガム宮殿に半旗が掲げられたという事実も全く知らなかった。保守党から労働党へと政権が変わったばかりということもあってブレア首相の動向も興味深い。初めてのことに戸惑うもの、強硬に考えを変えないもの、政治に利用しようとするものそれぞれの思惑が錯綜し、ダイアナを悼む世界中の人々の想いがうねりとなってそれらを飲み込んでゆく。
それにしても相手が反撃してこないのが分かってるからこそのバッシングというのはかの国の王室であろうとわが国の皇室であろうと同じで「こんなに憎まれるとは」とポツリとつぶやいた女王を見ると気の毒になってくる。
このほど王室から離脱したヘンリー王子とメーガン夫人のこともそのうち映画になりそうだ。メーガンの悪女感は映像映えするに違いなくオロオロするヘンリー王子とセットですでに目に浮かんでいる。
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