はなこたちゃん

ジョゼと虎と魚たちのはなこたちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

ジョゼと虎と魚たち(2003年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

15年前の作品
今、少しは社会全体の私達一人一人の心のバリアフリーは進んだのだろうか?

「お兄ちゃん、怯んだの?」弟が放った言葉…

障がい者のジョゼを実家の両親に紹介することを躊躇ったツネオ。
確かにジョゼを愛していたのに…
ツネオは若くて未熟で弱い、そして優しく純粋な普通の学生

純粋に惹かれあった2人は、彼の実家に向かうドライブ中に、互いの事、2人のこれからの事、そして自分自身と向き合う事が出来たのだと思う。

自分がツネオの立場だったらとか、ツネオの両親の立場だったら?とか考えると、現実的には色々躊躇うだろうし、申し訳ないけれど重荷に感じてしまうだろう…

一歩が踏み出せず、結局2人は別れてしまった…
妻夫木聡さんがしゃがみ込んで咽び泣くシーンは胸に迫る

ツネオを怯ませてしまったものこそ、彼自身の未熟さに加えて、
やはり社会や、私達一人一人の無知と心のバリアフリーの未成熟さだったのではないだろうか…


ただこの作品の中で私が1番心揺さぶられたシーンは、新井浩文さんのエピソードでした。

施設での母恋しさ故の幼い彼の言動には涙
(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)

更に、ツネオと暮らし始めたジョゼに対して、愛情の裏返しとも取れる言動
語彙力の乏しさが、
より彼の不幸な生い立ちと、
母やジョゼを想う切なさや寂しさを際立たせていて泣けます:;(∩´﹏`∩);:
「ボケ、コラ、しばくぞ!」って台詞で泣かされるとは…