キネペンyiyi

ジョゼと虎と魚たちのキネペンyiyiのネタバレレビュー・内容・結末

ジョゼと虎と魚たち(2003年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

いや、2000年代の邦画の雰囲気ってこれだよね、好きです。
深夜にまったり観て、衝撃受けちゃうやつ。

ジョゼが画面に出てくるだけで、映画の強度が上がっていく前半。
再会してからは物語自体にドライブがかかり、ジョゼの存在感が薄れるが、個々の想いが観客の中に流れ始める。
そして、あのやる切ないラスト。

写真は死と結び付いているという事を、小津とエドワードヤン以外で初めてうまく利用していると感じた。
オープニングと乳母車から見る景色は写真で映され、車から見る景色は劇中は映像で映される。
ラストを迎えた時、その写真がとても効いてくる。

ジョゼの近くに住んでいる、子供の使い方が印象的。
ジョゼの椅子からの飛び降りの反復。
乳母車
突然の第三者目線。
川、海、橋。
道路を走る方向。
弟の登場シーンのセンス。

人は感情を持った人でしかない、自分なんてものはその時の感情がつくりだしている錯覚に過ぎないということを教えてくれる。

音楽だけが押し付けがましい気がするが、好きにならざるを得ない映画。