悪魔の毒々クチビル

ヒルコ 妖怪ハンターの悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

ヒルコ 妖怪ハンター(1991年製作の映画)
3.7
ヒルコってそっち!?

古墳に封じられていた妖怪をまた封じようとするお話。

今作は観てからちょっと時間が経ってしまいましたが、結構面白かったので今でも感想書けるくらいには覚えております。
そもそも宅配レンタルで「あと1枚何借りようかな~」と悩んでいて、ふとこちらの作品を思い出しまして。
内容はさっぱり分からんけど、これ以上悩むのも面倒だしこれでいいやとレンタルしました。
「タイトルから察するに、ヒルコって人が妖怪と闘う感じかな?」と観る前は思っていました。
で、観てみました。



全然違うやんけ!!!!


序盤で昭和の香り漂う音楽とともに女の子が笑顔で自転車漕いでいるのを観て、「あ、この娘がヒルコかな」とか思っていたのが思い返すとむっちゃ恥ずかしくなるレベルで予想と異なる展開に。
いや、まぁ、ある意味ヒルコではあったか。

ただ作品自体は良かったです。
寧ろ俺の凡庸過ぎる予想展開よりも断然良い。

考古学者と彼の義理の兄の息子がヒルコなる妖怪と対峙していくのですが、このヒルコのデザインが気味悪くてgood!
割と「遊星からの物体X」なんかにも通ずる見た目で、人間(寄生した相手?)の頭部から蟹みたいな脚が生えていてキモ怖い。弱点はキンチョール。


それでさっき触れたあの女の子もヒルコ化するんだけど、元々は田舎らしい素朴な顔つきだったのに頭部だけの化け物になったら顔が急に大人の色気を醸し出していてそこも恐るべし。
もっと恐ろしかったのは、シルエットは完全にキショいのにあの顔のせいで不覚にも綺麗さを見出だしてしまった自分でしたが。

まさか古墳にこんな奴等がいるとは。
小学生の頃に課外授業で一度古墳を見に行った事がありますが、下手したら俺もヒルコになっていた可能性が…

余談ですが、ジュリー演じる考古学者と行動をともにするまさお君が高校時代の友人のH君に似ていました。
しかし後半、まさお君が呪文を唱えている真面目な場面でふと脳内でH君に置き換えてみた結果、思わず噴き出してしまったので映画を観ている時は余計な事は考えたら駄目という、至極当たり前なことを再認識しました。

あと用務員の渡辺さんが何気に一番好きでした。散り方に最近観た''VFW''味を感じたからかな。
惜しむらくは唯一の活躍シーンをまさお君に邪魔されたことですかね。

ゴアも多くはありませんが、中々派手で頭部を切り落として血がプシャーッと吹き出ていました。やったね!

んで終盤の顔面の旅立ちシーンは、シチュエーション的には感動出来るんだけど描写があまりにシュール過ぎて感情が追い付かなかったので、The・真顔状態でした。

どうやら今作はコミック原作なようで。
原作ファンからもウケが良いのかは分かりませんが、ホラー映画として観たら塚本監督作品というのもあって、奇々怪々で面白かったです。