サム・ペキンパー監督作としては、最も静かな映画。殴り合いはあるが、死ぬ人は誰もいない。
しかし、ロデオの荒馬や荒牛に乗る場面がスローモーションで流される所は、その激しさが伝わり、ペキンパーらしい映像かと思う。
ロデオの名手であるジュニア・ボナー(スティーヴ・マックイーン)の渡り鳥生活の為、久々の父や母との交流が、切ない。また、父の面倒を見ているやり手の兄は夢がなく成金のように描かれる、そんなに悪い奴ではないんだけれど。
ジュニア・ボナーのロデオの場面は圧巻だけれども、ひとところに留まれない彼らは消えゆく存在のようで、こちらも切ない展開で、余韻が残る。父の夢に一役買う所も。
同じ年公開のサム・ペキンパーとスティーヴ・マックイーンのコンビによる「ゲッタウェイ」の激しさと比べると対照的。でも、マックイーンの目の表情の強さと、スローモーションによる独特な映像はどちらも強烈だった(2021.12.26)。