HicK

サマーウォーズのHicKのレビュー・感想・評価

サマーウォーズ(2009年製作の映画)
3.2
《理想の家族をバーチャル体験》

【理想のファンタジー】
とてつもない大人気作品という印象。夏休みや大家族に関して懐かしんだり、憧れたりと観客のプラスアルファの感情を引き出したからかな?。昔のPSゲーム「ぼくの夏休み」が大ヒットした理由とも重なる。一種の"理想の夏休み"に更にSF要素をプラスして、現実逃避させるチカラが大きい作品なのかもしれない。

【一方、自分にとっては】
自分はここまでの大所帯では無いが、夏休みに親戚が集まる本家だったこともあり、作品の雰囲気に親近感もある。「あの頃、楽しかったなぁ」っていう気分にもさせてくれる。細田監督の背景を知り、こういう作品になったのも納得。でも、そこにSF要素が入るとちょっと小っ恥ずかしさも感じた。「親戚・家族が力を合わせ、オタクな世界で地球を救う」っていうプロットがくすぐったい。たぶん両極端なものを掛け合わせてるからかな?。作品のせいではなく、単に自分には合わないって事だと思う。

【絵】
背景やSF面でのデザインは美しい。でも、キャラクターに関してはシワや鼻を省いているため、顔のデザインで年齢が判断しづらく、関係図を頭の中で組み立てるのに手こずった。

【総括】
人によって「家族」に対する思いはもちろん違うので、戻れないあの頃を懐かしんだり、本当はこれが理想だったと思いを馳せたり、もしかすると今は亡き大切な家族を思って心に響いた人もいると思う。それぞれの心を埋めてくれるような物語にファンが多いのも納得。理想の家族が若年層に歩み寄り一緒に困難に立ち向かってくれるっていうプロットは、SFという点で自分はノリきれなかったものの、理想のバーチャル体験ができる作品だと思った。
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