円柱野郎

ドラえもん のび太と夢幻三剣士の円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

劇場版「ドラえもん」第15作。
「夢の中くらいはいい格好したい」というのび太の希望を叶えるため、ドラえもんが出した「気ままに夢見る機」。
しかし選んだ夢カセットの「夢幻三剣士」は現実に影響を与えるほどの強力なものだった。

個人的には他のシリーズ作品に比べてこの映画はあまり入り込めなかった。
確かに夢の世界で活躍するというコンセプト自体は、ドラえもんにふさわしい夢のある話だと思うのだけど、一方で「所詮夢のことなのに」という意識が残ってしまって、どうしても自分の中で緊迫感に繋がらない。
劇中では一時的に夢と現実を入れ替えているので、夢の中の死はすなわち本当の死であって、それ自体は深刻だけど。
でも夢の世界が敵によって大変なことになったので救いに行くという行動原理は、影響範囲の限定度合に対してちょっと短絡的すぎて…。

中盤のピンチは自力で解決していない(ママが偶然ボタンを押した)し、終盤はジャイアントスネ夫がストーリー上で蚊帳の外なのも個人的には不満。
狂言回しであるトリホーの存在も、夢幻三剣士の夢カセットを使う以前に現実に現れているところなど、よく分からない部分もあって、総じてこの作品はどうも微妙に思えてしまいました。

夢の世界を現実と表裏のパラレルワールドと取るか、機械的に作り出した夢と取るかで印象は違ってくるのだろうけど
自分としては後者なので、どうしても"しずかがのび太を見直した"っていうだけでは満足感は薄いかな。
円柱野郎

円柱野郎