円柱野郎

ゴジラ FINAL WARSの円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

ゴジラ FINAL WARS(2004年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

20XX年。
世界中で暴れ回る怪獣達と、それに対抗する地球防衛軍。
その時、X星人の巨大な飛行物体が現れ、怪獣を次々と消し去っていった。

シリーズの最終作と銘打たれた28作目。
冒頭から過去のゴジラシリーズに登場した怪獣達が暴れ回り、人間側は「海底軍艦」の轟天号で戦うという、なんとも東宝特撮ファンに対する目配せの聞いた作品になってました。
…というのは冒頭のみで、オープニングバトルが終わると、映画の前半部はひたすら超人的身体能力を持ったミュータントと呼ばれる戦闘員同士の闘いが繰り広げられる。
なんだか怪獣映画と言うよりは戦隊特撮モノか、仮面ライダーかのような印象…。
さらには怪獣が現れても、その怪獣同士が非常にアクロバティックでスピーディーな闘いを繰り広げる始末で、全く重厚さが感じられない。
戦隊のコスチュームが怪獣の着ぐるみになっただけの格闘アクションに見えてしまったw
これを新機軸と捉えるか、怪獣映画への冒涜だと捉えるかで印象が違ってしまうのだろうけど、少なくとも俺は好意的には受け取れなかったなあ。
(所謂戦隊モノを否定してるんじゃなくて、怪獣映画で戦隊モノの様な演出をしないで欲しかったのです)

ストーリーはゴジラの原点である“核”というテーマがほとんど語られず、終始ミュータントか怪獣の取っ組み合いが描かれるのみ。
好意的に取れば子供のヒーロー映画だった昭和ゴジラの頃の感覚だとは言えるし、配役の宝田明や登場怪獣の多さからも同窓会的“お祭り映画”として開き直った作品だと思う。
けど、それにしては「マトリックス リローデッド」や「スター・ウォーズ」などから恥ずかしげもなくパクってしまう監督の厚顔ぶりには閉口。
怪獣映画と関係ないじゃないか…(苦笑
(正直オマージュとは思えません、これはカッコイイからってだけのパクリですね)

何の感慨も浮かばないエンドクレジットの映像と選曲がこの映画の全てを物語る気がする。
少なくとも同じシリーズの締めくくりとして作られた「vsデストロイア」のエンディングには敬意があったよ…。
ドン・フライの存在感と、アメリカ版ゴジラへの中傷(「マグロばっかり食べてるヤツはダメだ」)だけは面白かったけど…それだけの映画。
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