20人ほどの少年たちが飛行機事故に遭い無人島に漂着する。そこでサバイバル生活を余儀なくされて助けを待とうとするも、次第に理性と秩序が失われる事態へと発展していくサバイバルムービー。
似たようなシチュエーションの作品は映画もドラマもそれなりにありますが、本作の特徴は登場人物がほぼ子供だけ。余計な場面は無く、ストレートに無人島での出来事のみで描ききっています。
最初は突然の事態に戸惑う少年たちも、だんだん現状を受け入れて何とかしようとする。そこで冷静に行動して救助を待つ派と、自分達しか居ないことで好き放題しようとする派。大きくこの2つのグループに分かれてしまう。
そして力のある者が場を徐々に支配していく様子は現実社会の縮図を見ているかのよう。元々悪い子は誰もいないはずなのに、非日常のど真ん中に立たされて狂気の渦に取り込まれると、つい最近まで仲間だった相手さえも殺そうとしてしまう。
そして最悪の事態へと突き進んでいく終盤はかなりの胸糞悪さ。争い合う彼らの行方はどうなってしまうのか、最後まで全く目が離せませんでした。
本作では主役は少年たちですが、もし大人たちだったとしても同じような構図になっていたかもしれません。下手したらより凄惨な事になっていたかも。生きるか死ぬかの極限状況に置かれた人間の内面がよく表れた作品だと感じましたね。
