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サスペリアのSUのネタバレレビュー・内容・結末

サスペリア(1977年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

三原色ライトや血で鮮やかに彩られるスタイリッシュな映像と共に鳴り響く重低音で不気味な音響、無駄に長い殺人描写はイタリア生まれのジャッロとのことでそれは近代のホラー映画に多大な影響を与える古典的なジャンルであるにも関わらず特に気に留めていなかったが本作を観た事を皮切りに興味が沸騰して溢れんばかりである。現代技術を集結させようが決して同じものは作れないだろう。チープさなど少しも感じさせないいやむしろその粗末さすらもホラーや映画そのものを超越した芸術、"美"を感じてしまう。
ウジ虫大量発生やサラの死体やゾンビ化などショッキングなシーンは色々あるが、冒頭パットが惨殺されるシーンは特に印象的で、絶妙なテンポで何度もナイフが刺し込まれ心臓直刺しまでしっかりと見せびらかしたのち、大聖堂ばりに高く吹き抜けたロビーの天井ガラスからパットの顔が突き出され、すぐさま全壊するガラスと共に落下し巻きつけられた電線で首を吊られ、たゆたい、同時に滴る鮮やか過ぎる鮮血!尋常ならざる粋具合だ。
魔女を殺した事で発生した神通力が魔女の手下や建物に波及し崩壊していくカオスからスージーは脱出を試みるがこの時ジェシカ・ハーパーの動きが妙に優雅で次第に踊っている様に見えてくると、壮大でクラシカルな雰囲気が漂い出しこれもジャッロの一部を担っていると変に納得した。
放り投げっ放しの謎や最後スージーが見せる笑顔の意味など考え無くてもいい。なぜならスージーが笑いながら去る直後背後で建物が素敵に爆発しエンドクレジットバーーンという流れがカッコ良すぎるから。(藤本タツキは絶対ここ大好きだろ!)
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