HicK

美女と野獣のHicKのレビュー・感想・評価

美女と野獣(1991年製作の映画)
4.5
《新たな設定、新たな時代》

・アニメ初のアカデミー賞作品賞ノミネート。作曲&歌曲賞受賞。

・(初めて?)一眼惚れでは無いプリンセスのラブストーリー。よって、愛を育む過程が描かれているのが新鮮。逆にそれまで記号的に扱われていた事が今となっては意外。

・目玉は、プリンセスが男性(野獣・父親)を救いにいく展開。今までの優しさや健気さはそのままに、強さと勇気、行動力、正義感でストーリーを動かしていく新しいプリンセス像。新たな価値観の幕開け。(ここに辿り着くまでだいぶ時間がかかった事は、アメリカも窮屈なんだなぁと思わせる)。

・プリンス側も新しい。イケメンでは無く野獣。美男子・美女のみを主役として扱ってきたディズニーにしては珍しく「外見に囚われてはいけない」というテーマ。でも、魔法が解けたらやっぱりイケメン笑。(じゃなかったら、夢ってやっぱり売りづらいよなぁ)。

・「♪朝の風景」の舞台背景説明が秀逸。歌に乗せて、人物紹介から舞台背景の説明まで多い情報量を楽しく紹介。

・「♪Be Our Guest」の独創性は「♪アンダーザシー」超え。

・CGを使用したボールルームシーンのカメラワークは、頭に焼き付くぐらい衝撃的だった。

・絵が劇的に鮮やかに明るくなった。

【総括】
新たな表現に新たな設定とメッセージ。パターン化されたヒロインポジションから抜け出し、可能性を広げた作品。もちろん内容も楽しく、音楽も素敵な楽曲ばかり。
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