Ren

フォーチュン・クッキーのRenのレビュー・感想・評価

フォーチュン・クッキー(2003年製作の映画)
3.5
『フリーキー・フライデー』のリメイクだけど、おそらくそちらより有名な作品。どちらもDisney+で観られるので、比較してみるのも面白いと思います。

元ネタの物足りなかった点をほぼクリアし、狂い具合もフラストレーションも共感性羞恥成分も増量させたことで、エンタメとして出力がデカくなっていました。そういう意味でちゃんと意味のあるリメイク!

素敵な改変・工夫は以下の通り
○ なぜ入れ替わったか&どうすれば元通りになるか、に明確な理由付けが為されている(ロジックは滅茶苦茶だけど)。
○ 母の毒親っぷりも、娘のグレた様も分かりやすくなっている。
○ ライアン(母親の再婚相手)とジェイク(アンナの恋の相手)がきちんとキャラ立ちしている。どちらも、テスとアンナがお互いの思いや葛藤を知る上で重要なキャラクター。
○ バンド活動にのめり込むアンナ。音楽によるカタルシスを獲得するのはディズニーの十八番だし何なら安易ですらあるけど、ファミリームービーならこういう爽快さが似合っている。
○ 物語が入れ替わりの前日から始まる。至極シンプルな改変だけど、これによって導入の母子の確執が十分に描けている。
○ 教師の理不尽ないじめを撃退したり、退屈なテレビ講演をパンクに乗り切ったり、2人の入れ替わりがギャグに留まらない好転を見せていた。詰まるところ、個々の大喜利が強化された。

以上から分かるように、オリジナルの「母親と学生の娘が入れ替わる」設定だけを踏襲しており、中身の脚本はほぼ別物と思ってもらって良いです。
小難しいことを考えずにのんびり観てね。
Ren

Ren