HARU

マイ・ルームのHARUのレビュー・感想・評価

マイ・ルーム(1996年製作の映画)
3.5
疎遠だった「家族」が本物の「家族」になっていく心温まるストーリー。


主人公が明確に決められているわけじゃないから、観る側によって主人公が変わってくるんじゃないかと思った。

実家から離れて暮らす妹リー。美容師の免許を取る為に学校に通っていた。その夢まであと一歩となった時、実家で父と叔母の世話をする姉ベッシーが白血病におかされていることを知る。そしてリーは反抗期である息子ハンクを連れて20年ぶりに実家に帰ることになる。

お話は淡々と進む。特に大きな事件もない。登場人物のちょっとした成長に光を当てて、重いテーマを優しく描き切ったような雰囲気。キャストが豪華なだけあって、見応えがある。



この映画は観る人の立場によって、特に感情移入する人が違ってくるような気がした。
ハンクの言うように、介護をしたくないというリーを冷たい人だと捉えることも出来る。でも夢がすぐそこ、もうすぐ手が届きそうな所にある。そんな機会は放り出すことなんか出来ない、という気持ちも理解し難いものではない。夢を持って努力したことがある人ならわかる気持ちなんだと思う。

レオナルドディカプリオ演じるハンクも青年の繊細で不器用な気持ちを表情、行動、言葉、そのすべてて表されていた。

姉ベッシーは、父と叔母の為に実家で介護をし続けている。それはベッシーにとって幸せなのか?少なくとも、妹リーにとっては幸せなことではなかった。

じゃあベッシーは不幸なのか??
幸せなのか??

ひとつ言えるのは、ベッシーに愛される人々は幸せなんじゃないか、ということ。
リーもハンクも徐々にベッシーと打ち解け、不器用ながらにベッシーの優しい気持ちに触れてゆく。そして少しずつ変わってゆく。それはとても幸運なことだった。

人に愛を与えるベッシー。愛を与えられた人が、彼女の愛を受け止めることが出来たなら、きっとベッシーも幸せなんだろう。

「わたしは幸せ」