亘

麗しのサブリナの亘のレビュー・感想・評価

麗しのサブリナ(1954年製作の映画)
3.8
サブリナは、大富豪ララビー家の運転手の娘で、ララビー家の次男デイヴィッドに叶わぬ恋をしていた。父親はそんな恋をあきらめさせようとサブリナをパリに留学させる。2年後帰国した彼女は見違えるような貴婦人になってデイヴィッドを惹きつけるが彼は既に婚約をしていた。

白黒でもオードリー・ヘプバーンの美しさ・可愛さが引き立っている作品。さらにアカデミー衣装デザイン賞を受賞したドレスやこの作品から有名になったサブリナパンツなどの衣装も見どころ。ストーリーとしてはどこか見たことがあるような、1950~60年代にはありがちな(?)感じではあるけどやっぱりオードリーがいるだけでも魅力が増すように感じる。ところどころ流れてオードリーも歌う「バラ色の人生」は印象的。

それからストーリーのアクセントになっているのがちょくちょく入るコメディ要素。料理学校の卵の割り方の授業とか、皆がパリからの手紙から傾向を話し合う場面とかコミカルだしボートで歌う歌も「♪今日はバナナがありません~」ってギャグっぽい。終盤の父親への仕返しも笑えて最後まで小気味良い。さすがビリー・ワイルダー監督。

ラストはハッピーエンドだけど個人的にはデイヴィッドの心境が気になった。自分がいない間にサブリナの心は変わってしまったのをなんで受け入れられたのか少し疑問が残ってしまった。それでもロマンティック・コメディだしあまり深く考えない方が良いのかな。ともかく初めはチャラかったデイヴィッドが最後はかっこよく見えた。

印象に残ったシーン:デイヴィッドがサブリナを駅から送るシーン。ライナスとボートに乗るシーン。デイヴィッドが重役会議に戻ってくるシーン。
印象に残ったセリフ:「恋する女性はスフレを焦がす。悲恋の場合はオーブンを付け忘れる」これを言うのがおじいちゃんだっていうのもよかった。

余談
この作品から日本では丈の長いパンツをサブリナパンツと呼ぶようになりましたが、英語やスペイン語では「カプリ島のパンツ」と呼びます。これはイタリアのカプリ島(青の洞窟で有名な島)が発祥のパンツだからだそうです。
亘