ベビーパウダー山崎

火の鳥のベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

火の鳥(1978年製作の映画)
2.5
壮大な音楽と共に市川崑特有のデカ文字オープニングクレジットはやはり上がる。「由美かおる 大原麗子」。カルト映画というよりただ失敗しているだけのような気はするが、日本版『ディック・トレイシー』もしくは金かけた新春かくし芸大会の映画(漫画)パロディぐらいの気持ちで見るとまだ楽しめる。幼少時に原作を読んだとき穴に閉じ込められた男女が一生外には出られず、この深い穴の底で子供を作って生きていくしかないくだりが妙に怖くてトラウマの一つ。その穴で暮らす妻を大原麗子が演じていたが『王妃マルゴ』時のイザベル・アジャーニぐらい美しかった。手塚治虫の漫画、人間はしょうもない、同じ過ちを繰り返して繰り返して果てて甦って、それが真理、ビバ生命みたいな他人の価値観を平気で揺さぶるような話ばかりで子供のころがっつり読まなきゃよかった。市川崑の金田一シリーズの合間に撮られたような大作、キャストがほぼ金田一。猿田彦の若松富三郎はいつものように体型に反した身軽さをアピール。