kunico

スタンドアップのkunicoのレビュー・感想・評価

スタンドアップ(2005年製作の映画)
3.5
ひたすら悔しくて途中から涙が自然に溢れてきた。

男社会で生きるのにはあまりにも辛い時代。
今でこそ女性のリーダーは多くなったけど(特に映画の配給や宣伝会社では女性の社長を多く見る気がします)これは男の仕事、これは女の仕事と分けること自体がナンセンスだと思います。
そもそも性別を2つで区別することが時代遅れ。
人間の多様性が認められるようになったのも、この作品の主人公であるジョージーなど未来を切り開こうと必死にもがいた人々がいたおかげだと思います。

職場でのイジメが想像を遥かに超えて悪質。
セクハラどころの騒ぎじゃなく、男達の器の小ささが異常です。
女同士の啀み合いの方が何倍もマシと感じるのは、やはり男と女の両者が頭の作りから体の作りまで全く違うというところにあると思います。
お互いが歩み寄らないと到底分かりっこない部分が沢山ある。
特にトイレの大切さとかね、そりゃ膀胱の大きさが違うんだから当たり前だよね。
ちょっとしたところにも嫌悪感を抱くようになったのは、ジョージーが現場の上司に苦情を言いに行くシーンを観てからです。
さりげなく上司の後ろに飾ってあるカレンダー、あれを見ただけで「ああ、この男は絶対に意見を聞き入れてくれないな」と感じました。
そこら辺うまいなあ、台詞が無くとも相手のスタンスが凄く伝わってくる!!!

救いに感じるのは、職場以外の男性陣が割とフラットな見方をしてくれること。
仕事仲間のリッキーは特別ですが、彼らの存在があったからこそ偏った男性批判の映画にならなかったのではないでしょうか。

裁判までに様々な仕打ちが描かれて、観ているこちらの心も疲弊してしまうほど。
裁判の場面は、なんというか、もう少しカタルシスが欲しかったです。
10背負わされて4しか解消されていない印象。
多分私が過度に傷つき過度に期待してしまったからだと思います。笑

マッドマックスのフュリオサから戦闘機を手放させたら、スタンドアップのジョージーになります。
強く正しく美しく!
kunico

kunico