自社のハンバーガーのパテを解析すると
牛糞の成分が検出された。
実態を知るために
田舎町の工場へ調査に向かう———。
という始まりから『スーパーサイズ・ミー2』のような杜撰な管理体制への切り込みかと思いきや、更に更に問題は根深いことがわかってくる。
そこにあるのはどん詰まりの現実。
少なくとも本人はそう思っている現実。
主に移民が勤める(いや務めると言うべきかもしれない)工場。
死の匂いがたち込めるこの場所で、
時には涙しながら現実と闘う。
店舗でレジ打ちをする若く美しい学生は
「全てが均一なここはリアルじゃない」
と辞職し、店長に失望される。
そして冒頭に出てきた本社の人間は
全てを含めた“現実”にぶちあたる。
現実の壁。階級の壁。
そして“現実”の結晶であるハンバーガーを
移民の子たちは目を輝かせて食べる。
このありふれた現実に
怒りや悔しさより諦めが先に来てしまう
自分が悲しい。