HicK

HACHI 約束の犬のHicKのレビュー・感想・評価

HACHI 約束の犬(2009年製作の映画)
4.6
《オスカーに値する犬》
〜My犬映画No.1〜

【ハチ役のいぬ】
1時間30分。シンプルな物語。なのに感動。それも犬の"演技"が素晴らしいから。何も語らない犬。だけど表情で色々想像させられる。特に晩年を演じた犬が好き。哀愁すら感じる。語らずとも伝えてくる姿はベテラン俳優のよう。

【演出】
"演技"と言ったが、別にあざとい事をさせてる訳でもなく、それでも惹き込まれてしまうのはたぶん撮り方も素晴らしいから。完全に主導権を犬に渡し、ふとした表情の切り取り方が上手いんだと思う。それを最大限に活かすゆったりとした余白の多い演出も良かった。一方、モンタージュのVFX演出だけはちょっと余計。

【総括】
日本版は未鑑賞だが、現時点で1番好きな犬映画かもしれない。このシンプルさが良い。無駄に感動を煽らない、無駄に捻りを加えない。落ち着いたトーンの中、純粋に主役の犬に惹き寄せられる。その主役が今作1番の魅力。主演の彼にはアカデミー賞主演犬賞を差し上げたい。もちろん、これが実話だという事も更に感動できる要因。舞台の変更はあっても変わらない感動。
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