ペコちゃん

チェンジリングのペコちゃんのレビュー・感想・評価

チェンジリング(2008年製作の映画)
4.7
重厚な映画だった。
一件落着、解決してよかった。
これで映画は終わるのだろうと思いきや、話は続いていった。普通の映画とは、ちょっと違うなという印象を持った。

アンジェリーナ・ジョリーが主演していることから、彼女が監督した作品「最愛の大地」を思い出した。男性社会の理不尽さ、その中で女性が必死に生きていこうとする姿を描いている点が似ているなと思った。

わたしは警察に対して強い怒りと憤りを感じた。一般市民を守るはずの警察が行ったことは理不尽極まりない。正義の味方でもなんでもない腐った組織だった。

殺人事件の深刻さが物語をさらに深めていく。緊張感を伴いながら実態が解明されていく。

映画はこの殺人犯が絞首刑になるまで描く。人を殺した人間でも自分が死ぬことは恐れる。地獄に落ちたくないと泣く。子ども達の恐怖がどれほど大きいものであったのか思い知るがよい。殺人犯でも同じ人間、人間が死ぬ瞬間をわたし達は見届けることになる…。

母親と息子って、こんなに甘い関係なのかな。冒頭の二人を見ていて思った。人は守りたいものができた時に強くなれるんだと彼女を見ていて思った。最後の言葉を聞いた時にぐっと涙が込み上げてきた。