こぅ

別れの朝のこぅのレビュー・感想・評価

別れの朝(1970年製作の映画)
4.4
ジャン・ガブリエル・アルビコッコ監督作初鑑賞で、第二次世界大戦中のフランスを舞台に描く
【ラブ・ストーリー】。

ラブ・ストーリーの1つの定番と言える
禁断、叶わぬ恋物。

フランス南部の斜陽貴族の娘ニナ(カトリーヌ・ジュールダン)は、ドイツ占領軍に侵攻され、若き将校カール(マチュー・カリエール)と禁断の恋に落ちる…。

とは、言っても序盤から出会い、一途でベッタリ
とは、違う。

OPから、貴族家中(インテリアのカラーが綺麗)
の何やら穏やかな雰囲気では無い騒動の中、
ソフトフォーカスで、広角レンズを多用した
スムーズに流れるようなカメラワークに目を奪われる。

近作で例えるとヨルゴス監督は、本作の撮り方を
お手本にしたかは、定かでは無いが、そんな気にも
させられた。
勿論、【女王陛下のお気に入り】は、本作の足元
にも及ばないシネフィル必見の撮影なのだが。

ニナとカールの何回か出てくる馬で駆けるシーク
エンス、特に初回は耽美でベスト。


兎に角、内容は特筆に値しない(激しいキャラ多し)が、撮影は特筆、屋内だろうが、
屋外だろうが、霧だろうが、人だろうが、動物
だろうが、弱点、欠点が見当たらない【完璧耽美
映像】と言える。
それに乗っかるフランシス・レイの甘美なメロディ
も効果絶大。

A・ドロンの【サムライ】にも出演の馬を乗りこなす
カトリーヌが美しかった。


ラストは、禁断ならではで、ぶった切った⁈
ラストカットがまた印象的。

’71年ジャン監督、本作が最後というのは誠に惜しい。
叶わぬだろうが、是非、スクリーンで観たいと
思わせた。
こぅ

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