YellTao

マイ・プライベート・アイダホのYellTaoのレビュー・感想・評価

4.5
気付けば道の途中。
この道に立ち途方に暮れていると、声をかけてくる人や立ち止まる人、持ち物を盗んでいく人や身体ごと拾う人、その身体を狙う人や、今から持つであろう物まで狙う人
そして、目的地まで寄り添う人と置き去りにして通り過ぎていく人
気付けばたくさんの人がいる。

迷い込まなければ誰もが立派なはず。それに釣り合わないのは今立っているこの道のほう。

孤独なマイク。
母の愛情を知らず、兄に悩まされ、自分ではどうしようもない症状(トラウマ)に翻弄されている。
反抗も計画の一部のスコットとは同じ道に立っていても、履いている物や つま先が向く僅かな角度、踏み出す一歩の差で大きな距離が出来てしまう。

鑑賞の上で、シェイクスピア『ヘンリー四世』と、エンディングに流れるThe Pogues『The Old Main Drag』の歌詞を知ると、より心を打たれること間違いなし。
 
なんだか私にとって特別な作品になってしまった。
YellTao

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