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80日間世界一周のkojikojiのレビュー・感想・評価

80日間世界一周(1956年製作の映画)
3.5
第29回アカデミー賞作品賞
作品賞のカラー作品3作目。しかも、WIDE画面で今の映画と遜色ない、大作です。
 
この映画、旅を味わえますが、世界一周した気分になるかといえば、それはちょっと無理でしょう。どこの国も今ひとつですが、インドから日本までは早足で、しかも作りが雑です。
 特に日本はひどいですね。当時の日本に対する知識はこの程度だったんだろうと思いますが、日本人としては気分のいいものではありません。中国と日本の区別もよくついていないんですね。当時は。
世界一周を映画にするなら、もう少し監督も勉強してほしかったですね。

旅が中心の映画で旅が「あまり…」ということなら、映画の方も「あまり…」になるのは当然です。

しかし、いいところは沢山あります。
まず、何と言ってもテーマ音楽です。旅といえばこの曲と言えるほどポピュラーな曲になりました。
設定が1872年というのも面白いと思います。当時のロンドンをはじめこの時代、世界はどんなだったか考えさせられることです。

それからハッピーエンドであることです。
苦労して80日間世界を回ってハッピーエンドじゃないと疲れるだけになりますから、これは当然でしょう。

出演者がいいですね。特にフォッグ役のデビッド・ニーヴンがいかにもイギリスの紳士で好感をもてます。

インドの姫君役のシャーリー・マクレーンは若くてすごく綺麗です。
 
従者パスビルトゥー役のカンティンフラスはメキシコの有名なコメディアンだそうですが知りませんでした。格好は明らかにチャップリンです。彼の浮ついた性格で、色々なミスを犯します。それが原因でハラハラドキドキのシーンが続きますので、重要な役回りだと思いますが、あまり好きではありません。私は基本的にミスを犯す人物は好きになれません。役柄なんですがね。

この映画の見どころの一つに、カメオ出演というのがあります。実は映画の最後にクレジットが出るんですが、有名人がカメオ出演ということで沢山出ていることです。さあ誰が、どこに出ているでしょう?というおまけまでついてる映画なんです。 

と言っても、私が映画の鑑賞中に気づいたのは、マレーネ・デートリッヒ、フランク・シナトラ、バスター・キートンぐらいですけどね。映画通ならきっとたくさん気がつくでしょう。さあ、どれだけ見つけられるか試してみましょう。

世界一周にカラーワイド画面に沢山の映画スター出演の映画なんですから贅沢きわまりないことは間違いありません。

ということで、アドベンチャー映画としては、当時話題になったのもうなづけます。

原作はジュール・ベルヌの同名冒険小説
です。

2023.02.12視聴65
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