このレビューはネタバレを含みます
ダイナマイトー!どんどん!
舞台は1950年頃の北九州。北九州のヤクザ屋さん達にアメリカさんがこしらえた民主主義の波が押し寄せる。暴力による抗争は時代遅れ。これからは正々堂々と「野球」で勝負をつけようじゃないか!と本当にヤクザ屋さんによる野球大会が開催される。え、ルール?んなもん「仁義」に決まっとるやないかい!プレイボール!
冒頭、少年野球の隣で暴力団のドンパチ抗争があったりして「これは、お楽しみ映画ですよぉお!」と自分の期待値ギャン上げであったが、いざ観終わってみると、案外普通だったなという肩透かしな感じ。
野球の試合にしても、豪腕ピッチャー(北大路欣也)が普通に活躍というクソ当たり前な感じ。爆弾をボールに仕込んでバッターが撃ったらバッターが爆発、もしくはバッターが空振りしたらキャッチャーが爆発とか、もっと無茶苦茶やって欲しかった。そもそも映画タイトルが「ダイナマイトどんどん」なのにダイナマイト要素ほぼ無し。チーム名が岡源ダイナマイツってなだけで、そりゃねえよ!
とりあえず、文太のカッコ良さは文句無し。「わしゃ渡世人じゃ。棒振り競技に命は張らんわ!」(結局やるけど)
あと、邦衛の無駄遣いが過ぎる。
劇中、「原爆ピッチャー」(どんなピッチャーだ)みたいな言葉が出てきたが、今なら放送禁止の上、世間から殺人的なバッシングを受けるであらう。
北大路欣也の裏切りにぶち切れた文太が敵の組へカチコミに行く前、文太は一張羅に着替える。一張羅は防虫剤のナフタリン臭でプンプンであったが「一生一度の死に装束、虫に喰われたらイカン。」と小まめな文太にキュン。
組の縄張りを掛けた決勝戦(野球)では応援席におっぱい丸出しで応援するパン助やら少年少女、一般人やらでカオティック感高め。普通に土手っぽい所で試合していて橋の上を自動車がブンブン走っていたり、現実がすぐそばにあって微笑みの自分。
ギャグもほどよくあり、笑えるシーンもあったが、期待値を大きく越えることはなかった。その分、ガッカリ感がのしかかった。ダイナマイトちんちんを静かにパンツにしまいながら家路につく自分。