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マジック・クリスチャンの3104のレビュー・感想・評価

マジック・クリスチャン(1969年製作の映画)
2.8
英式のシュールとブラックユーモアに彩られた珍作。

主演のグラント卿にピーター・セラーズ。
彼はありあまる財に物を言わせ、世の中の常識や概念を挑発し、ぶっつぶさんとばかりに様々な騒動を巻き起こす。

オークションで無駄に競る、狩りに軍隊を導入するなどの劇中のドタバタは金で人は変わる、いともたやすく従属するという皮肉の元に描かれているのだろう。しかしそんな批判性よりもナンセンスさがとにかく目につく。小難しいことを考えずに気楽に観る類の作品なのだろうが、話の起伏が乏しいので観ていて少しダレてしまう。

出演陣はいやに豪華。
グラント卿が養子にする元ホームレスの青年にリンゴ・スター(とぼけた雰囲気がgood)。他カメオ的な扱いで吸血鬼役のクリストファー・リー、オカマ役のユル・ブリンナー、奴隷達を鞭でぶつ役のラクエル・ウェルチ。他ロマン・ポランスキー、リチャード・アッテンボローなどなど。「モンティ・パイソン」のグレアム・チャップマンとジョン・グリーズも出演&脚本協力で参加(そのせいかモンティ・パイソン臭は強い)。

主題歌および挿入歌にバッドフィンガー。
ポール・マッカートニーが片手間で書いたという名曲「Come And Get It」や「Carry On Till Tomorrow」などが作品を彩る。
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