くまねこ

あの胸にもういちどのくまねこのレビュー・感想・評価

あの胸にもういちど(1968年製作の映画)
3.4
「あの胸にもういちど」(1968年)
マリアンヌ・フェイスフル、アラン・ドロン主演映画をAmazonプライムで視聴。

新妻レベッカは幸せな結婚生活に嫌気がさし、夜明け前、素肌に黒革のボディスーツを着込み、大型バイクに乗って、かつての愛人の大学教授が住むハイデルベルクへ疾走する…。

サイケデリックな映像と薄っぺらいストーリーであるが、全盛期の美男美女の画力、美しい撮影で90分もたせるのはさすがである。

マリアンヌ・フェイスフルを初めて見た。童顔に美しい肢体とロングヘアーは魅力的だが、かなり狂ったメンヘラキャラ。愛人に会いに行くより病院に行くべき。

破滅型の10代美女が、酒を煽りながら不倫相手のもとに向かってバイクをかっ飛ばす、それだけのストーリーは結末が透けて見えてしまう。

終盤、横たわるアラン・ドロンの股間を隠す薔薇の花瓶に笑った。

よく考えたら、彼女の不倫願望の妄想で、バイクで疾走するだけの映画かもしれない。

撮影当時、マリアンヌ・フェイスフルは離婚直後にミック・ジャガーと恋仲になり、流産と精神不安定から自殺未遂、ドラッグ漬けの日々だった模様。

彼女のイメージは、メタリカの”The Memory Remains”(97年)でのしゃがれ声の印象しか無かったので、類稀なる美しさに驚いた。
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