Laika

コミック雑誌なんかいらない!のLaikaのレビュー・感想・評価

5.0
今見ても面白い。というか、当時見た時は、実際の事件をパロディ化したようで、バラバラの断片的な内容からか好みでは無かったが、数十年後に見たら、斬新だなぁと感心した。

内田裕也演じる芸能レポーターを通じて、マスコミに対する批判が現れている。「マスコミ」という世間の目は、芸能人のプライベートの領域までズケズケと入っていき、狂気すら感じる。

最後の豊田商事事件では、目の前で殺人が行われているのを、そこにいたマスコミ陣は一般市民の目として、ただ傍観しているというか視聴率を稼ぐネタとして見守っていたとしたら、そこにいた全ての人たちは、人間としての倫理を失っている。

内田裕也演じるヤケに生々しく感じる素人っぽいキナメリが、段々いい取材が出来なくなる過程は、キナメリ本人とマスコミのやり方の歪みが広がっていくようだ。最後にマウンドでキナメリがマイクを投げたのは良かった。キナメリはマスコミに飲まれずに自分に戻ることが出来た。

この映画が斬新と思ったのは、30年後の今も同じことが行われているから。

追加:おニャン子クラブの「セーラー服を脱がさないで」の歌詞はすごいな。当時は口ずさんでいたけど、今改めて聞くとストレート過ぎる歌詞が恥ずかしい。
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